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インサイドセールスとは?<効率的な営業方法を模索中の企業必見!>

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営業効率を上げることで企業業績は良くなりますが、思うようにいかなくて悩んでいる事業責任者の人もいるのではないでしょうか。営業効率をアップさせる方法としては営業プロセスの見直し、営業支援ツールの導入など様々な手法がありますが、インサイドセールスという方法もあります。この記事ではインサイドセールスの概要や導入時の注意点などについて紹介します。

インサイドセールスの概要

インサイドセールスとは、その名のとおり内勤型の営業方法で、さまざまな方法で集めた見込み顧客(リード)に対して、主に電話など遠隔で営業活動を行います。ネットワーク環境の発達に伴い電話だけでなく、メール、Web会議システムを用いて営業活動を行っています。そのため時間や場所に縛られることなく営業活動が可能です。また取引先を実際に訪問する、従来型のフィールドセールスとの組み合わせでインサイドセールスを導入する企業も増えています。

フィールドセールスとインサイドセールスを組み合わせた営業方法の具体例ですが、インサイドセールスで顧客とのつながりを作り、ある程度顧客の関心が高まった段階でフィールドセールスに移行するという方法です。商品・サービスへの関心度が高い顧客に絞り、アプローチできるので効率の良い営業が可能です。

インサイドセールスの歴史

日本の企業でも採り入れられているインサイドセールスという手法ですが、その起源はアメリカにあります。インサイドセールスは1950年代からスタートした電話営業の進化系として、1980年代から1990年代にかけてアメリカで発展しました。なぜアメリカで発展したのでしょうか。アメリカは国土が広いため、顧客の自宅を直接訪れるのは非効率な上に時間もコストもかかります。そのため、効率の良い営業を行うために、インサイドセールスが普及したのです。インサイドセールスは、比較的低価格の商材を家庭向けに販売するときにテレビショッピングなどを利用して行われていました。しかし、ネットワーク環境の発達によって法人への高価格商材の販売にも導入されています。

ネットワーク環境が発達するまでの営業は、顧客のもとへ足を運ぶフィールドセールスが主流でした。しかし、テレビ電話やメール、チャットなど顧客とコミュニケーションを取るツールが多様化しているため、インサイドセールスでも信頼関係を構築しやすいです。

従来型のフィールドセールスとの相違点

インサイドセールスとフィールドセールスの相違点について、具体的に見ていきましょう。まずフィールドセールスは日本でよく行われてきた、取引先を直接訪問する外勤型の営業のことです。直接顧客と顔を合わせる機会も多いため、信頼関係を築きやすい点がメリットとして挙げられます。顧客と直接話しができれば、その場の反応によって説明の内容を臨機応変に変えることが可能です。一方で、移動時間もかかるので、1件あたりにかかる時間は多くなり、非効率なケースも生まれます。

インサイドセールスは移動時間もかからないうえ、商談の核心部分をコンパクトに顧客へ伝えられます。商談で使う資料は多くの見込み顧客に対して同じものを使えることが多いですし、移動時間も減らせるので1日に営業できる件数がフィールドセールスに比べて多いです。特にサブスクリプション型ビジネスに関しては効率的な営業が可能となります。

インサイドセールスにおける3つのメリット

インサイドセールスには具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。主なメリットは3つあります。ここではそれらの詳細について説明していきます。

効率的な営業が可能

インサイドセールスのメリットの1つが効率的な営業が可能となる点です。インサイドセールスでは顧客の元へ出向くまでの移動時間を減らせる上に、商談前の世間話なども必要ありません。そのため一日に数多くの顧客に対応できます。インサイドセールスは多くの顧客に対応できるとは言え、全ての顧客に同じ対応をしていたら、顧客が増えた際にカバーしきれなくなる可能性があります。商談が成立する可能性が高い顧客に対してはインサイドセールスが担当し、可能性が低い顧客に対しては資料送付だけに留めるといった使い分けも可能です。このように顧客に対して手早く優先順位をつけていけば、さらに効率の良い営業ができます。

またインサイドセールスはある程度システマチックに対応できるので、資料やメールの送付を自動で行うツールなどを利用すればさらに効率化が図れるケースもあります。

多様な働き方を可能にする

多様な働き方を可能にする点もメリットの1つです。インサイドセールスは主に電話やメールといった手段で顧客との連絡を取るため、窓口業務しか経験のない従業員でも比較的容易に営業ができます。移動や準備に時間が必要ないインサイドセールスは、1日の中で実践の機会も多いので経験を積みやすいです。そのため、営業経験のない女性職員でも少しフォローすれば、優秀なインサイドセールスとなってキャリアアップ可能です。インサイドセールスは在宅でも働けるので、育児中や両親の介護といった事情などでフルタイムで働くことが難しい従業員でも取り組めます。

またフルタイム勤務は難しいという、退職したシニア人材の活用にも役立ちます。シニア人材の活用に悩む企業は多いですが、営業経験の豊富なシニア人材をインサイドセールスのチームの管理者にして全体をまとめてもらうことも可能です。

リードナーチャリングしやすい

リードナーチャリングしやすい点もインサイドセールスのメリットです。リードナーチャリングとは「見込み顧客の育成」を意味する言葉で、リードが「見込み顧客」、ナーチャリングが「育成」を表しています。見込み顧客に対してメールや電話などを利用し継続的に情報を発信することで、購入意欲を高め顧客へと育成するのがリードナーチャリングの手法です。インサイドセールスはフィールドセールスに比べて気軽に見込み顧客へアプローチできるため、継続的にアプローチをすることで顧客になってもらえることがあります。

フィールドセールスと組み合わせる場合、事前にリードナーチャリングしていればより確度の高い営業が可能です。ちなみに確度とは契約が成立するか否かの判断基準のことで、契約の可能性が高ければ「確度が高い」と表現します。また、インサイドセールスはたくさんの顧客を相手にできるので、新しい営業方法にチャレンジしやすいのも特徴です。つまり営業方法が上手く働いている顧客を見つけ、その顧客層に対して新たな営業方法を検討できるのです。

インサイドセールスが求められている理由

日本国内ではインサイドセールスが普及しつつありますが、どうして求められているのでしょうか。この段落ではインサイドセールスが求められている理由について解説していきます。

人手不足と就職難のどちらにも対応できる

インサイドセールスが求められている理由の1つとして、人手不足と就職難のどちらにも対応できる点が挙げられます。まず日本では少子高齢化によって特に中小企業を中心として人手不足が深刻化しています。中小企業基盤整備機構が平成29年に実施した調査によると、人手不足を感じている中小企業は7割を超えているようです。人手不足が進んでも企業は売上を維持する必要があります。そのため1人当たりの作業量が増加してしまい、残業の増加や作業効率の低下など職場環境の悪化を招くのです。これまでより少ない人材でも売上をキープまたはアップさせるためには効率的な営業が不可欠となるのです。

インサイドセールスによって見込み顧客の管理を適切に行うことで、効率的な営業が可能になり、人手不足の企業であっても1人あたりが生み出す利益のアップが期待できます。実際に、日本国内でもIT企業が外資系企業を中心としてインサイドセールスの導入を進めています。またインサイドセールスの導入によって新たな雇用を生み出すことも可能です。そのため人手不足と就職難のどちらにも対応できる営業方法として注目を集めています。

顧客へ効果的にアピールできる

顧客へ効果的にアピールできる点もインサイドセールスが求められている理由の1つです。なぜ、インサイドセールスは顧客へ効果的にアピールできるのでしょうか。まず、インサイドセールスではフィールドセールスよりも少ない時間で商談を進められます。なぜならフィールドセールスは、相手方とのスケジュール調整や商談場所の確認などが必要であるため手間がかかるからです。しかも、相手方の都合が悪くなってしまうと、再調整が必要です。

一方、インサイドセールスではテレビ電話などを活用すれば、最短でその日のうちに商談が成立する可能性もあります。フィールドセールスのみでは相手方の考えていることが事前には把握できないケースも多いですが、インサイドセールスをしておくと相手方の反応を事前にある程度予測できます。つまり、より成功率の高いプレゼン方法を事前に考えておけるという訳です。

サブスクリプション型のビジネスモデルが普及している

サブスクリプションという言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。インサイドセールスが求められている理由に、サブスクリプション型のビジネスモデルが大きく影響しています。実はインサイドセールスはサブスクリプション型ビジネスとの相性がとても良いのです。そのためサブスクリプション型ビジネスの普及は、インサイドセールスの導入にとっても追い風となっています。サブスクリプション型ビジネスとは、従量課金制ではなく定額制のような料金体系のビジネスモデルです。モノ・サービスを買い取るのではなく、モノ・サービスを利用した期間や、あらかじめ契約したライセンス数に応じて料金が発生します。

サブスクリプション型ビジネスはクラウドサービスやソフトウェアでは広く導入されている料金体系で、試用期間があるのが一般的です。試用期間があることで利用する企業のハードルを下げることができ、提供する企業側は数多くのユーザーを獲得できます。ただし、提供する企業側がすべての企業に対応するには、多大な労力が必要です。インサイドセールスによって営業活動を効率化できれば、サブスクリプション型ビジネスであっても対応しやすいのです。

カスタマーサクセスに寄せられた意見を活用しやすい

カスタマーサクセスという名称のチームや部署を置く企業があります。カスタマーサクセスとは顧客の目的(成功)を把握した上で、顧客の目的達成のために問題や課題の解決を支援したり、情報提供を行ったりする部門・職種を指します。カスタマーサポートという部署もありますが、カスタマーサポートは顧客から「~の使い方を教えてほしい」などの要望があった場合に解決策を提示するので、基本的に動きが受動的です。一方でカスタマーサクセスでは顧客からの要望がなくても、顧客の目的達成のために能動的に動いていきます。そしてインサイドセールスにはカスタマーサクセスに寄せられた意見を活用しやすいという特徴があるのです。

カスタマーサクセスが導入されている企業の場合、インサイドセールスはフィールドセールスとの間を取り持つ役割を期待できます。インサイドセールスは自身が管理する顧客情報だけでなく、カスタマーサクセスへ寄せられた意見を分析し、その情報をフィールドセールスと共有すればより精度の高い営業が可能となります。また営業活動においては、新規顧客の獲得だけでなくリピーターを増やすことも重要です。カスタマーサクセスを充実させることで、顧客からの要望やクレームへの対応を強化できます。長期的に考えると企業業績に貢献可能です。

インサイドセールスが担う具体的な役割

インサイドセールスは日本でも普及していく可能性のある営業方法です。では実際の職場で、インサイドセールスはどのような役割を担うことになるのでしょうか。ここでは2つの重要な役割について説明していきます。

マーケティングとフィールドセールスを結びつける

インサイドセールスの具体的な役割として、マーケティングとフィールドセールスを結びつける点が挙げられます。直接顧客を訪問する従来型の営業方法では、1人の営業担当がアポからクロージング(顧客と契約を締結すること)までの工程をすべて行っていました。しかし、顧客の確度が分からない状態で、多くの企業を訪問するのは効率的とはいえません。マーケティングやフィールドセールスとインサイドワークを組み合わせることで、効率的な営業が可能となります。

具体的にどのような組み合わせ方があるのでしょうか。たとえば、見込み顧客の獲得から育成をマーケティングとインサイドセールスを担当する従業員が行います。その後、アポ獲得はインサイドセールスが行い、訪問提案から受注まではインサイドセールスとフィールドセールスが一緒に行うという方法です。一般的な営業プロセスの分業は顧客の獲得、顧客の育成、アポ獲得、訪問・提案、受注という形です。この中でマーケティングは顧客の獲得、顧客の育成というプロセスの序盤を、フィールドセールスは訪問・提案、受注というプロセスの終盤を担っています。そしてインサイドセールスは顧客の育成、アポ獲得というマーケティングとフィールドセールスを結びつける役割を担っています。

顧客との関係構築

インサイドセールスの主な役割は、顧客との関係強化や見込み顧客の獲得です。見込み顧客の獲得は展示会や広告などのマーケティング部門でも可能ですが、顧客との関係強化はインサイドセールスの得意分野です。インサイドセールスならではのフットワークの軽さを活かしてたくさんの見込み顧客へのアプローチを行えます。継続的なアプローチを行えば、顧客のニーズを的確につかめるので顧客との関係強化に繋がります。また、顧客のニーズを把握することで潜在顧客や休眠顧客を逃さずに商材の販売につなげることも可能です。

ちなみに見込み顧客とは「商品・サービスを購入してくれる見込みのある顧客」です。具体的に言うとメールマガジンの購読を申し込む、Web広告をクリックするなど興味をもって何らかのアクションを起こした人を見込み顧客と呼ぶ場合が多いです。そして潜在顧客は見込み顧客の一歩前の段階、商品・サービスを提供する側がアプローチをすることで、見込み顧客になる可能性がある人々を指します。そして休眠顧客は、過去に取引はあったが、今は取引きがなくなった既存顧客のことです。

インサイドセールスを導入するポイント

インサイドセールスを導入するには抑えておきたいポイントがあります。ここでは抑えておきたい3つのポイントについて説明していきます。

マーケティング担当と情報を共有する

インサイドセールスを導入する際は、マーケティング担当との情報共有を意識するのがポイントです。まず、インサイドセールスは、たくさんの顧客へアプローチできるため取得できる情報量が多いです。入手した情報をマーケティング担当と共有すれば、顧客のニーズに合わせた調整ができるので、より商談が成立しやすい顧客リストが作成できます。インサイドセールスで得られる精度の高い情報をマーケティング担当へ教えることで、効率的な営業が可能です。

またリスティング広告(キーワードに応じて検索結果上に表示される広告)やホワイトペーパー(商品・サービスの役立つ情報をまとめた資料)を利用すれば、一定数の顧客データを手軽に確保できる一方、ノイズが混じりやすいので、データの精査が必要となります。インサイドセールスとマーケティングチームとの連携を強めて、データのノイズを減らしていくことも大切です。

フィールドセールスとのコミュニケーションを強化する

フィールドセールスとコミュニケーションを強化することも、インサイドセールスを導入する際のポイントです。なぜなら、フィールドセールスとのコミュニケーションが取れていないと、せっかくインサイドセールスで顧客へアプローチできても無駄になってしまう恐れがあるからです。顧客データを共有することで、顧客へのアプローチが無駄になるリスクを減らせます。

また、インサイドセールスが行うヒアリングは、できるだけフィールドセールスが欲しい情報を反映しておくことが大切です。ちなみヒアリングとは相手のニーズや意見、目的などの聞き取り調査を行うときに使われる言葉で、営業ではヒアリング能力が重要だと言われています。フィールドセールスとコミュニケーションを取ったうえで、ヒアリングの内容を定型文化しておくと良いでしょう。

ツールを活用する

インサイドセールスを導入する際は、ツールを活用すると良いでしょう。インサイドセールスではマーケティング担当やフィールドセールス担当との間で情報共有が大切なので、ツールを活用すれば効率的な情報管理が可能となります。顧客情報の管理はExcel管理でも対応できますが、CRMやSFAを導入しておくとさらにスムーズな営業が可能です。ちなみにCRMは「Customer Relationship Management」の略で、顧客管理システムとも言われています。CRMの機能としては顧客情報の蓄積・管理機能、フォーム作成・メール送信などのマーケティング支援機能などが代表的です。

SFAは「Sales Force Automation」の略で、営業支援システムとも言われています。SFAの機能としては営業マンの行動量などを管理する機能、日報を作成する機能などがあります。大まかに分けると顧客との関係を管理するのがCRMで、営業活動を管理するのがSFAです。

インサイドセールスの導入における注意点

インサイドセールスは正しく導入すると、営業効率を飛躍的に高めてくれる可能性があります。しかし、注意点に気を付けないとなかなか効果が出ない場合もあります。ここでは導入する際の注意点を2つ説明していきます。

すぐに結果を求めすぎない

新しくインサイドセールスを導入する場合、すぐに結果が出ないこともあります。インサイドセールスはマーケティングやフィールドセールスと情報を共有することで、営業効率を高める手法です。そして情報共有の仕方は担当者が慣れないとスムーズにはできません。結果が出ないと新しい手法を試したくなるかもしれませんが、作業内容が頻繁に変わると作業効率が落ちる可能性があります。すぐに結果を求めて、作業内容を頻繁に変えないようにすることが大事なのです。また日本ではインサイドセールスを導入した企業がまだ少ないので、情報が入手しにくいという側面があります。自社に合った方法を模索しながら、徐々に導入していくとよいでしょう。

担当の人事配置に気を付ける

インサイドセールスを導入する際は担当の人事配置に注意が必要です。担当の人数配置のバランスが崩れると、インサイドセールスが効果的に機能しない恐れがあります。たとえば、マーケティングの人数が多すぎると、フィールドセールスの人数が足りなくて、実際の販売につながらない可能性があります。ベストな人数配置は会社や営業方針によって異なるでしょう。ただ成功している会社のなかには、インサイドセールスとフィールドセールスを1:1の割合で構成しているケースがあるそうです。

インサイドセールスの導入パターン

インサイドセールスの導入パターンは大きく分けて3つあります。

1つ目は、インサイドセールスがフィールドセールスまで担当するタイプです。商品・サービスは価格が安いか高いか、商品の説明が簡単か難しいかで4つに分類できます。インサイドセールスがクロージングまで担当するパターンは比較的低価格で、商品の説明も簡単な商材を扱っている場合に有効です。

2つ目は、営業活動の一部分のみインサイドセールスが担当するパターンです。こちらは比較的高価格の商材を扱っていたり、商品説明が少し複雑だったりする場合に向いています。インサイドセールス担当がヒアリングを行い、確度の高そうな顧客を事前にリストアップしておけば、契約の可能性が低い顧客への訪問が減って、無駄が減らせます。

3つ目は、高価で非常に複雑な商材を扱っている場合の営業で、どちらかというとフィールドセールスのほうが向いているパターンです。基本的に高価で商品説明が難しい商材の営業は、インサイドセールスにあまり向いていません。ただし、見込み顧客へ継続的にインサイドセールスでアプローチすることで、ナーチャリング(育成)できる可能性があります。

まとめ

インサイドセールスは導入する際のポイントや注意点を押さえておけば、営業活動の効率化が可能な営業手法です。インサイドセールスと相性の良い商品・サービスも存在します。特にサブスクリプション型ビジネスはインサイドセールスとの相性が良いです。サブスクリプション型ビジネスやインサイドセールスに興味のある方は、サブスクリプションラボへ問い合わせてみましょう。

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