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インサイドセールスとは?なぜ日本で注目されているのか?

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営業の最前線で耳にすることも多くなったインサイドセールス。この意味をまだよく知らない人の中には「なぜ注目されているのか知りたい」という人もいるでしょう。この記事では、インサイドセールスの特徴や、注目されるようになった背景などを紹介します。営業の効率を改善したいと考える人には、特に参考になるでしょう。

目次

インサイドセールスって何のこと?

インサイドセールスとは、内勤型の営業手法です。見込み顧客に対して電話やメール、Web会議ツールなどを活用し、営業活動を行います。対義語のフィールドセールスは従来の外勤型の営業で、俗にいう「外回り」です。内勤であれば、インターネットを使うかどうかの区別はありません。ネットを使わないオフラインの内勤では、電話やDMなどの郵便物を用いる方法があります。逆にネットを使うオンラインの内勤は、メールやチャット、スカイプなどのツールを用います。

このような手法であるため、インサイドセールスでは時間や場所に縛られずに営業活動ができます。特に場所については、顧客とのコミュニケーション手段さえ確保できれば、スタッフの自宅でも海外でもかまいません。在宅勤務などにも応用できることから、働き方改革の一環として導入する企業も増えています。

インサイドセールスと比較されやすいフィールドセールスって何?

フィールドセールスとは外勤営業のことです。直接顧客の元に足を運び、対面で商材の説明や商談を行います。顧客の反応を直接見ながら説明を行うため、複雑な内容でも説明しやすいのが特徴です。また、雑談なども含めた深いコミュニケーションをとるため、重要な商談にも適しています。対面だからこそ聞き出せる顧客の本音など、密度の濃い情報を得やすいのも利点です。

インサイドセールスのメリットとは

インサイドセールスを導入するメリットは主に4つです。ここではその4つのメリットを詳しく説明します。

営業活動が効率化する

たとえば、スタッフが在宅で活動するのであれば、オフィスのスペースや光熱費を減らすことができます。また、顧客を訪問しての営業では雑談やアイスブレイクなどに多くの時間を割く必要がありますが、インサイドセールスではこれらの時間も不要です。

受注見込みが低めの顧客にアプローチしやすい

受注の見込みが低い顧客に対しては、時間や労力をかけてアプローチをしても、無駄に終わってしまうリスクがあります。企業としてそのようなコストはかけられないため、従来の営業では、このような顧客にアプローチできないことが多くありました。しかし、インサイドセールスなら営業コストが低いため、こうした顧客にアプローチして空振りすることがあっても、トータルでは採算をとれることが多くなります。

PDCAサイクルを多く回せる

たとえばメールによる営業の場合、1通のメールの返信に5分かかるとすると、1時間に12回のDoを生み出せます。顧客からの返信がないことも1つの結果といえるため、これで12のCheckと改善のためのActionが生まれるわけです。それらを統合して、翌日や翌週のPlanを立てます。1つあたりのDoは小さいものですが、回転数が多いため「活動の方向性を常に調整できる」という点がメリットです。

交通費などの経費を抑えられる

フィールドセールスでは、電車代や車のガソリン代・高速道路代など、移動にかかる費用が大きいものです。こうした費用を削減することで、商材自体の価格を下げることができ、顧客にとってのコストパフォーマンスも良くなります。結果的に成約もしやすくなり、ますます営業活動が活気づくことが期待できるのです。

インサイドセールスのデメリットとは

インサイドセールスのデメリットは「高度な説明や商談には向いていない」ということです。顧客1人当たりにかける労力やコストを減らすということは、顧客にとっては「大事に扱われていない」ことを意味します。それでも低額な商材であれば、顧客が不満を感じることはないでしょう。しかし、高額な商材では顧客が満足しない、あるいは信頼してくれないということが多いのです。

複雑な説明についても、内勤ではしにくくなるもの。たとえば書類の書き方は、電話でもメールでも完全には説明できないものです。テレビ電話で実際に書類を見せながら説明すれば比較的やりやすくなります。それでも対面の説明と比べると、聞く側も説明する側も「まどろっこしい」と感じることが少なくありません。

また、セールスや説明を通り越して、そもそも「関係を構築する」という目的は、インサイドセールスでは達成しにくいものです。たとえば金融機関がある程度の資産を持つ個人にアピールするケースなどは、従来のフィールドセールスが適しているでしょう。すぐに何かの商品を売らなくても、関係を築いておけば将来的にさまざまなサービスを利用してもらえる可能性があります。

インサイドセールスはどのように発展を遂げたか?

従来の日本では、対面型の営業が必要とされていました。理由は、その分野に関して詳しい情報を持っているのが、各社の営業マンしかいなかったためです。書籍や専門誌で情報を集めても、個々人のニーズに合わせたピンポイントの情報はなかなか得られませんでした。そのような情報を、経験の豊富な各社の営業マンが提供してくれたのです。

しかし、現代ではそのような情報をインターネットで得られるようになりました。もちろん、欲しい情報が完全に手に入るわけではなく、依然として「直接の問い合わせが必要なケース」はあります。それでも、そうしたケースが格段に減ったことは確かです。さらにネットは「時間や場所を問わずにいつでも使える」というメリットがあります。営業時間外であろうと、店舗でなくとも情報を得られるのです。

このような理由により、顧客が情報収集の手段として営業マンを必要とすることは、以前より少なくなりました。それどころか、必要とする情報について「顧客の方が営業マンより詳しい」というケースも増えているのです。このような顧客にとっては、営業マンの「おすすめ」を紹介してもらうより、自分が探し出した会社や商材に、自分からアプローチする方がいいのです。このような背景から、多くの企業がインサイドセールスを導入するようになりました。

なぜインサイドセールスは求められるのか?

インサイドセールスが求められるようになった理由は、主に4つです。ここではその4つの理由を詳しく説明していきます。

「サブスクリプション型」のビジネスが拡大した

サブスクリプションとは「継続課金」のこと。顧客がサービスや製品を利用した期間に応じて課金します。たとえばPCのセキュリティソフトの「年額○○円」などのサービスが、その典型例です。従来のようにCD-ROMなどのパッケージで「1回売って終わり」にするより、安定的にその顧客を確保しやすくなります。

人手不足

人口の減少によって、日本の各業界は深刻な人手不足に陥っています。2019年4月5日に東京商工リサーチが発表したデータでは、「人手不足」関連の倒産が、前年度から28.6%増加しました。これは過去最悪の数値です。このような状況の中、企業は業務を効率化する必要に迫られています。その手段の1つとして、インサイドセールスが求められているのです。

見込み顧客へのアプローチが効率的になる

見込み顧客は重要ですが、まだ顧客になってくれたわけではありません。そのような顧客に対して、必要以上の労力をかけるべきではないのです。たとえば長めの時間を確保しておいたアポイントメントが、突然キャンセルされることもあります。あるいは、長時間の説明を求められた後、顧客がそれほどサービスを必要としていなかったことがわかる場合もあるでしょう。

どちらにしても、ただの見込み顧客ではなく「より確度の高い見込み顧客」だけと対面していれば、発生しにくいケースです。見込み顧客の中でも「対面するのは確度の高い顧客だけ」と絞り込むためにも、その他の顧客に対するインサイドセールスが必要となるのです。

カスタマーサクセスと外勤型営業の連携を強化できる

カスタマーサクセスとは、わかりやすくいうと「顧客を積極的にサポートする組織」です。積極的でなく受動的にサポートする組織は、カスタマーサポートといいます。多くの人が普段利用する「問い合わせ窓口」のことです。カスタマーサクセスはこちらから顧客に連絡し「何か困っていることはございませんか?」などと、顧客の満足度をさらに高めることを目指します。昔からある言葉では「御用聞き」といえるでしょう。

インサイドセールスは、このカスタマーサクセスと外勤型営業の中間となる仕事です。働き方はカスタマーサクセスと共通します。しかし、カスタマーサクセスは新規の顧客を獲得するわけではありません。インサイドセールスは新規客を獲得する点が異なっています。そこからさらに「外に出る」ようになると、外勤型営業(フィールドセールス)となるわけです。このような点で、インサイドセールスは「外勤型営業とカスタマーサクセスの中間」といえます。

両者の中間ということは、双方のスタッフの業務を理解しやすいということ。たとえば、カスタマーサクセスが気づいた顧客のニーズなどの情報を、外勤の営業マンが必要とする内容に絞り、彼らにわかりやすい形で伝えることができます。同じ会社に勤務していても、ポジションが違えば相手の求める情報が何かを把握しにくいものです。しかし、中間に位置するスタッフがいることで、その橋渡しをしやすくなります。

インサイドセールスにはどのような役割があるの?

インサイドセールスの役割は、主に5つあります。これはそのまま営業の5つの段階と重なるものです。この5つの段階を、営業のマーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスが分業するわけですが、インサイドセールスは特に中間のステップで大きな役割を果たします。その役割を詳しく見ていきましょう。

新規見込み顧客の獲得(リード獲得)

営業はまず、見込み顧客(リード)を新たに獲得することから始まります。この段階では、フィールドセールスは非効率です。商材に興味のない人に訪問して営業をかけても、効果はほとんど見込めません。インサイドセールスでも常にリードを獲得できるわけではありませんが、失敗1回あたりの損失が小さくなります。営業にかける時間や費用が、フィールドセールスよりも大幅に小さいためです。

リードの獲得は、インサイドセールス以外でもできます。マーケティングがそれです。ここでいうマーケティングとは、主にHPやSNSなどのWeb媒体からの集客、雑誌やテレビなどのメディア広告による訴求などです。これらは目立つ活動ではありますが、個別の顧客に「こちらからアプローチする」わけではありません。しかし、自社や商材に興味を持ってもらえるという点では、リードの獲得はできているわけです。このマーケティングと合わせてリードを獲得することが、インサイドセールスの役割の1つです。

見込み顧客の育成(リード育成)

新規に獲得した見込み顧客に「より確度の高い見込み顧客になってもらう」仕事です。新規のリードだけでなく、以前から存在するリードに対しても、この仕事があります。いわゆる滞在・休眠状態のリードです。新規・滞在・休眠のすべてのリードを育成するわけですが、これを「リードナーチャリング」といいます。ナーチャリングとは育成の意味で、リードナーチャリングはそのまま「見込み顧客育成」のことです。

リードの獲得と同じく、インサイドセールスをすれば「100%リード育成ができる」というわけではありません。失敗して逆にリードが離れることもあるでしょう。しかし、こちらからアプローチすることで、顧客のニーズを把握できる、疑問点を解消できる、親近感を持ってもらえるなどの可能性も大いにあります。そのようなプラスになる確率の方が高いと予想した場合に、積極的にインサイドセールスを仕掛ければいいのです。

最終的にリードを育成できるかどうかは、インサイドセールスを「どのようにやるか」によります。そのやり方さえ正しければ、リード獲得からリード育成という、第1・第2のステップを両方クリアできるのです。

見込み顧客の選別(リード選別)

すべてのリードに、契約や購入をしてもらうことはできません。契約や購入まで至ってくれるリードを大切にするためにも、リードを常に選別する必要があります。商材への関心の強さに応じて、こちらからのアプローチのレベルも変えるということです。これが選別という作業ですが、専門用語で「リードクオリフィケーション」ともいいます。

選別は、育成の段階で自然と行われるものです。こちらからアプローチをしているうちに、商材に興味がない顧客は離れていき、興味のある顧客だけが残ります。つまり、育成をしている時点で、リードの層は自然に分かれていくのです。それをリスト化・データ化する作業がこの段階になります。

アポイントメント獲得

商材に相当の興味を持ってくれたリードから、アポを獲得します。Web会議などインサイドセールスでのアポを取ることもあれば、直接訪問するフィールドセールスでのアポを取ることもあるでしょう。どちらにしても、アポの獲得にもっとも適した方法はインサイドセールスです。

昔から「訪問をしてアポを取る」ということは、めったにありませんでした。従来型の営業をする企業でも、アポだけは電話やDMで取ることが多かったものです。これらも内勤という点で完全なインサイドセールスといえます。アポ取りという作業については、昔からインサイドセールスが定着していたのです。

商材の説明・契約

営業の最後の段階ですが、ここまでインサイドセールスで到達することもできます。低価格な商品や、顧客が商材に強い関心を持っている場合などは「非対面で十分」ということも多いのです。この段階までインサイドセールスでこなせると、営業の効率は非常に高くなります。

インサイドセールスはどんな場面で利用される?

インサイドセールスが利用される場面は、主に3つあります。それぞれの場面について詳しく説明します。

アポ獲得型

リードを獲得して育成し、アポの段階まで持っていくものです。先述した営業の分業の中で、マーケティングとフィールドセールスの間に入る仕事です。

クロージング型

商材の販売や契約の獲得という、最後の段階までインサイドセールスで行うものです。Web会議システムや電話など、声を使うアプローチが多くなります。特に大型の契約では、Web会議システムが有効といえるでしょう。

既存アップセル型

新規ではなく、既存の顧客にアプローチするものです。カスタマーサービスは受け身であるため、顧客の隠れた不満などに気づかず、顧客を失ってしまうリスクがあります。逆にフィールドセールスは新規顧客の獲得に使うべき「切り札」であり、既存の顧客のフォローに労力を割けないこともあるでしょう。そのようなとき、適度な労力で顧客との関係を維持できるという点で、インサイドセールスが役立ちます。

インサイドセールスを効果的にするポイント

インサイドセールスを効果的に行うためには、5つのポイントを理解することが必要です。ここではその5つのポイントを詳しく解説します。

自動化ツールを利用する

マーケティングを自動化する「マーケティングオートメーションツール」(MAツール)を導入します。MAツールの一例がステップメールです。単純なメルマガとは違い、購読者の反応に合わせて送るメールを変える「シナリオ」を作ります。その作業は手動ですが、一度システムの運用が始まれば、その先は自動となります。他にも多くのMAツールがありますが、手動部分の作業を適切に行うことで、自動でも大きな効果を得られます。

仕組み化・マニュアル化する

これはインサイドセールスだけでなく、ほとんどの仕事で必要なもの。家事などの1人でこなす仕事でも、時間を短縮することを誰でも考えるでしょう。また「無駄な作業」を省く工数削減も、誰もが自然に考えるはずです。それをチームとして行い、効率的に仕組みやマニュアルにしていくことが必要になります。

一定期間での検証を行う

PDCAのCであるチェックの作業ですが、これによりMAツールの質も改善され、仕組みやマニュアルもより良いものになっていきます。

フィールドセールスとの連携を強化する

インサイドセールスは有効な営業手法ですが、限界もあります。それはフィールドセールスも同じです。双方の欠点を補い合って強みを活かすためにも、連携を強化する必要があります。

マーケティングとの連携を強化する

これもフィールドセールスと連携する理由と同じです。フィールドセールスがインサイドセールスの「後」のポジションとすれば、マーケティングは「前」のポジションになります。その前のポジションとの連携も強めることで、強固な営業のラインができあがるわけです。”

インサイドセールスを導入するためには?

インサイドセールスを導入する方法は主に3つあります。ここではその3つの方法を詳しく説明します。

顧客とのやり取りの内容を詳細なデータで残す

電話やメール、チャットやWeb会議などの内容を、すべて詳しくデータにして残します。これが自動化ツールやマニュアルの改善など、あらゆる場面で役立つためです。

顧客対応のルールを明文化する

インサイドセールスは顧客と対面することがほとんどないため、1人の顧客に対して複数の営業担当がつくことが多いものです。そのため、どの担当者でも同じように失礼のない対応をできるよう、ルールを明文化する必要があります。

フォーマットやマニュアルを整備する

顧客にアプローチするとき、ほとんどの商材では「必ず聞くべき事項」があります。これは必須ヒアリング事項としてまとめます。そして、このヒアリングで得た答えを書き込むフォーマットも統一しておきましょう。もちろん、必須事項だけでなく任意の事項についても、書きやすく見やすいフォーマットを作るべきです。

その他、イレギュラーな問題が発生したときの対応方法などもマニュアルにしておきましょう。これは2の「ルールの明文化」とも似ていますが、異なる点は「顧客以外の問題も含まれる」ことです。具体的には「スカイプが止まったとき」など、機械系のトラブル対応などがあげられます。あらゆるトラブルへの対応方法をまとめることで、経験の浅いスタッフでも、効果的なインサイドセールスを行えるようになります。

インサイドセールスがマイナスに働くケース

インサイドセールスがマイナスに働くケースは主に3つです。ここではその3つのケースを説明します。

対面営業を減らしすぎると、顧客との信頼関係を失う恐れがある

今までフィールドセールスで接してきた顧客の場合、対応をインサイドセールスに切り替えると、場合によってはその顧客に信頼されなくなる恐れがあります。

説明を完全にできず、見込み顧客を逃すケースがある

たとえば商品の操作説明などは、対面だとわかりやすいものです。一方、スカイプや電話などによる説明では、伝わりにくくなります。このため、説明をしっかりできれば契約できていた可能性が高い見込み顧客を、逃してしまうリスクがあるのです。

高額な商品の魅力を、インサイドセールスでは説明しきれないことがある

高額な商品については、顧客も購入に慎重になります。「よほどの魅力を感じなければ動かない」ということが多いのです。インサイドセールスではそのような「強い魅力」を伝えきれず、やはり見込み顧客を逃してしまう恐れがあります。富裕層向けのビジネスなどは、基本的にインサイドセールスが不向きな分野といえるでしょう。

仕事の受注率の低下を避けるための対処法

顧客から仕事を請け負うタイプのビジネスの場合、インサイドセールスを導入して仕事の受注率が低下する事態は避けたいもの。ここでは、そのような受注率の低下を防ぐための方法を説明します。

オンライン会議システムをフル活用する

インサイドセールスの中で、一番従来の対面営業に近いものは「オンライン会議」です。「対面でないと受注しにくい」という仕事であれば、オンライン会議を活用するのがいいでしょう。通信の安定性はもちろん、通話する空間のインテリアなどのあらゆる部分で、顧客の信頼を得られるような工夫をするのが有効です。

社員同士の打ち合わせもオンライン会議で行う

「オンライン会議での営業をかけたけど失敗した」という声も聞かれます。この原因はさまざまですが、担当者自身が日頃からオンライン会議を使っておらず、不慣れだったということもあるでしょう。インサイドセールスの導入を決め、その主軸をオンライン会議としたのであれば、日頃から習熟のための努力をするべきです。社員同士の打ち合わせもオンライン会議で行うことで、顧客に対する営業もリラックスした状態で、よりスマートにこなせるようになるでしょう。

インサイドセールスはどんな商品に向いている?

インサイドセールスが向いている商品は主に4つです。それぞれ詳しく説明していきます。

継続的な取引でアフターフォローが必要な商品

アフターフォローを長期間対面で続けることは困難です。高額な商品や大口の取引であれば、それを続ける価値はあるでしょう。しかし、それほどではない商品や取引であれば、インサイドセールスに切り替える方が効果的です。

アップセルやクロスセルが可能な商品

アップセルは「より高額な商品やサービスを顧客に購入してもらう営業手法」です。顧客の営業単価を上げたいときに用います。クレジットカードでいうなら、年会費無料の一般カードから、有料のゴールドカードに切り替えてもらうための営業が、アップセルに当たります。

クロスセルは「顧客に別の商品も勧める営業手法」です。セットで勧めることもあれば、商品の購入をやめた顧客に、別の商品を勧めることもあります。カフェでドリンクを注文した際「フードメニューはいかがですか?」と聞かれるのは、身近なクロスセルの1つです。

これらの手法でインサイドセールスが有利なのは「資料がすべて手元に揃っている」ため。特にクロスセルでは「他の選択肢」をすばやく見せる必要があり、それは「自分の城」にいる方が有利なのです。フィールドセールスのように外にいる場合、すばやく対応できないケースがあります。

不動産・投資商品

これはどちらも高額商品であることが多く、少々意外かもしれません。最終的な説明や契約は、当然フィールドセールスが適しています。しかし、リードの獲得や育成の段階では、インサイドセールスが非常に有効です。これらの高額商品は、顧客も購入までに相当な期間をかけます。その期間にインサイドセールスでフォローしておくことで、顧客の潜在ニーズや動向をつかみやすくなるのです。顧客が求めているものを確実に把握できた時点でフィールドセールスをかけることで、より効率的な営業をしやすくなります。

保険

保険業界は、顧客の事前情報をほとんど持たないまま、強引に電話や訪問で営業をかける手法が、長らく主流でした。このため、事前情報があれば確保できたはずの見込み顧客を逃してしまうことが多かったのです。このような分野にインサイドセールスを導入すれば、他社の営業マンが強引な手法で逃してしまっている多くの潜在顧客を、自社で獲得できます。そのため、保険業界は特にインサイドセールスを導入すべきといえるのです。

インサイドセールスに必要なものとは

インサイドセールスに必要なものは、まず電話やメール、パソコンといった基本的な通信手段です。メールについては、ステップメールなどのMAツール(マーケティングオートメーションツール)を用いて自動化するとさらに便利でしょう。

その他にも、顧客管理システム(CRM)や、営業支援システム(SFA)などを導入することで、さらに業務が効率的になります。たとえばCRMではアプローチした顧客の情報を詳しく共有します。「○月○日、電話15件」というような報告ではなく「A社のB様に電話し、商材Cについてご説明」「担当のD様は不在で、明日出勤」などの詳しい情報を共有するわけです。これによって、より顧客満足度の高い営業をかけられるようになります。

もちろん、このようなシステムを使うのは人間であり、最終的には人柄と能力が重要となります。そのような営業の根本は変わりません。その根本を大事にした上で、非生産的な仕事やミスを排除するためのツールとして、これらのシステムなどを活用するのがいいでしょう。

顧客の心を掴むインサイドセールス

顧客の心をつかうインサイドセールスの条件は、まずレスポンスが早いこと。迅速に対応したという事実は「その時間に他の仕事よりも自分を優先してくれた」と感じられ、高い顧客満足につながります。

また、速いだけでなく真摯な対応も必要です。商品のデメリットなど、自社にとって不都合な情報でも包み隠さず話すなど、顧客に対して誠実に向き合う必要があります。このような姿勢は、短期的な利益は逃しても、長期的には利益をつかむことが多いでしょう。

さらに高い成果を上げるには、短時間で相手に心を開いてもらえるようなコミュニケーション力も必要となります。この点は、フィールドセールスとまったく同じです。最終的にはインサイドセールスで必要になる能力は、従来の営業と同じだといえるでしょう。

まとめ

インサイドセールスは日本でも年々広がりをみせています。多くの企業が導入している営業手法であり、これによって大きな成果を上げる企業も各業界で次々に登場するでしょう。無駄のない営業でコストを削減し、顧客にとってのコストパフォーマンスを上げることは、当然顧客のためにもなります。営業の成果を上げるためだけでなく、顧客の満足度をさらに高めるためにも、インサイドセールスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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